当医院では、東北大学が開発した歯周病治療器「ブルーラジカルP-01(Blue Radical)」を導入しました。
世界一の感染症であり生活習慣病である歯周病に対して新たな治療をご提案します。

歯周病とプラークコントロール
歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきに付着するプラーク(歯垢)=細菌の塊です。
歯周病の予防と治療において最も重要なことは、プラーク(歯垢)とその石灰化物である歯石とをお口の中から取り除くことです。
プラークコントロールというのは、歯周病や虫歯の原因となるプラークを極力作らせない、もしくは停滞させないことを言います。
プラークコントロールには、「セルフプラークコントロール」と、「プロフェッショナルプラークコントロール」の2種類があり、セルフプラークコントロールは、患者さん本人が行う毎日の歯磨きなどのケアのことです。 そしてプロフェッショナルプラークコントロールは、歯科医院での歯科衛生士によるプロケアです。患者さん本人では取り除くことができない、プラーク(歯垢)や歯石を専門の器具を使い効果的に除去します。 この二つのプラークコントロールが歯周病治療には欠かせません。
このような方におすすめ
- 重度の歯周病でお悩みの方
- 歯周ポケットの深さが気になる方
- 外科的治療を避けたい方
- 歯のぐらつきや膿に悩んでいる方
- 口臭が気になる方
ブルーラジカル歯周病治療は歯ぐきを切開したり、メスをいれるような治療ではありません。
外科治療に比べて痛みは少なく、お口や身体、心理的負担も少ない治療と言えます。
従来の治療法では歯ぐきを切らなければ除去できなかった深い歯周ポケット内の細菌を殺菌することで、手術なしで歯周病の進行を抑制・病状の安定化を可能としています。
当院ではブルーラジカル治療を受けていただく場合、患者さんが歯周病への関心を持ち、プラークコントロールを継続できるよう、口腔衛生プログラムを併用しています。
「ブルーラジカル」について
国が認証している唯一の歯周病治療器
この機器は東北大学で開発され、治験を経て、2023年7月に日本で初めて厚生労働省の認可を受けた歯周病治療機器です。特に「歯周治療」「歯周炎」「歯周ポケットの殺菌」「スケーリング」といった機能が認められ、歯科の医療機器としては、日本で初めて治験を通した治療器です。

厚生労働省認可の歯周病医療機器
ブルーラジカルの技術
ブルーラジカルの治療原理は、3%過酸化水素水に青色の405nmの光を当てることで、過酸化水素を分解し、フリーラジカルを生成します。フリーラジカルは非常に強い酸化力を持ち、歯周病を引き起こす細菌を99.99%殺菌(ラジカル殺菌)します。また、この機器は超音波振動で、歯石やプラーク(歯垢)を除去する効果も兼ね備えています。

*「ラジカル殺菌」は、短時間でのデンタルプラーク内部の殺菌に成功した世界初の技術となります。
治験結果
治験では、強力な殺菌力と歯石・プラーク(歯垢)の除去能力によって、炎症や排膿の症状が改善し、歯周ポケットが浅くなることなどが確認されています。
さらに、動揺のある軽度の歯に対しても、ブルーラジカル治療を行うことで、その動揺が収まりやすくなり、歯周組織の炎症が改善されることで膿の発生が抑制されることが期待されています。また、治験により安全性も確認されており、人体に悪影響を与えないことが証明されています。
治験をまとめた論文は世界的に権威があるNatureが監修するScientific Reportsに掲載されました。(※3)
従来治療との違い
従来の治療法~超音波振動のみの治療

超音波振動のみの治療となるため、重度になると、歯石の取り残しが増え、治癒が難しくなります。副作用を伴う抗菌薬の投与といった化学療法が必要になります。
ブルーラジカル~超音波振動+ラジカル殺菌

従来の超音波振動にプラスして、過酸化水素とレーザー照射によるラジカル殺菌技術により、虫歯菌、歯周病を引き起こす口腔細菌を99.99%殺菌します。
ブルーラジカルのメリット・デメリット
メリット
- 手術を必要としない「非外科的治療」
- 従来の治療のように歯ぐきを切る外科的手術が不要です。そのため、痛みや不快感が少なく治療後の回復が早いので、患者様の身体的、心理的な負担が軽減されます。
- 再発リスクの低減~99.99%の強力な殺菌
- 世界初のラジカル殺菌技術により、手術なしでも、歯周ポケットの深部の歯周病菌を99.99%殺菌します。そのため、従来の治療法に比べて再発リスクが低減します。加えて適切なセルフケアやメンテナンスと組み合わせることで、歯周病の進行を効果的に抑えることが可能です。
- 治療効果
- 治験では、強い殺菌力と歯石・プラーク(歯垢)除去により排膿や炎症などの症状が改善し、歯周ポケットが浅くなったという結果報告がありました。
従来の超音波治療などと比較しても、進行を遅らせる効果が期待できますが、残念ながら歯周病を完全に治癒させたり、一度失われてしまった歯周組織(骨など)を再生することはできません。 - 安全性の高さ
- 過酸化水素を青色レーザーで分解して発生する「フリーラジカル(強い殺菌作用)」は細菌にのみ作用するため人体への影響も無く、安全性が確認されています。
歯周病治療における有効な手段のひとつとして抗生物質を使用しますが、長期的に使用することで、耐性菌が発生する可能性が高まります。ブルーラジカルであれば、そのような心配もありません。 - 短い治療時間
- 治療時間は、1歯あたり5分程度です。一度に数本を治療しても短時間で済むため、忙しい方でも気兼ねなく受けていただけます。
デメリット
- 適用範囲の制限
- 進行した骨吸収がある、歯が割れている場合等、治療の適応外となることがあります。
カウンセリングや精密検査後に適応範囲の判断をいたします。 - 治療時の違和感
- 治療時には局所麻酔を使用します。
- 保険適用外のため費用がかかる
- カウンセリングや精密検査等も含め、治療費用は自由診療となります。
健康保険適応外の治療です。 - 治療効果
- 症状の進行度合いや口腔環境によっては治療効果が異なることがあり、複数回の施術が必要となります。
喫煙者や糖尿病患者などの場合も改善効果が限定的になる場合があります。
ブルーラジカルをご案内できない方
- 局所麻酔注射ができない方
- 妊娠されている方
- ペースメーカーを使われている方
- 光過敏症の方
- 無カタラーゼ症の方
治療費用
*料金はすべて消費税込
ブルーラジカル治療は保険適用外のため、自由診療となります。
なお、カウンセリングや精密検査等も自費診療となります。
カウンセリング (パノラマ写真撮影含) | 6,600円 |
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精密検査 | 45,000円 |
診断 | 4,400円 |
口腔衛生指導 | 1回 7,700円 |
治療 | 1歯 15,400円 |
経過観察 | 2,200円 |
最終評価(クリーニング含む) | 7,700円 |
ブルーラジカル治療をお考えの方へご一読いただけますようお願い申し上げます。
~ 当院の考え方 ~
当院で導入しているブルーラジカルは、高い殺菌力で従来の歯周病治療法と比較すると歯周病の進行を抑えることができる治療機器です。
この機器は従来の超音波治療などと比較しても、進行を遅らせる効果が期待できますが、残念ながら歯周病を完全に治癒させたり、一度失われてしまった歯周組織(骨など)を再生することはできません。 また、歯周病がかなり進行し抜歯という診断を受けている場合、その歯を保存できるかどうかは一度診せていただきブルーラジカル治療に適応するのかの診断が必要です。

この機器は、世界初の技術で菌に対して非常に強い殺菌効果を発揮し、厚生労働省により歯周病治療器として初めて認可がおりた機器で、治験の結果からは、歯周病に対して有効であることが報告されています。当院では従来の治療法とは一線を画したアプローチをとるブルーラジカルを、歯周病治療の新たな選択肢とご提案しています。
過去の経験から今の歯科技術が向上し、時代と共に新しい治療法や機器が開発され進歩してきた中で、当院では知識技術をブラッシュアップして、その時できる一番の治療を患者さんに提供できるようにしたいと考えております。
歯周病は、誤ったブラッシングにより、歯に付着したプラーク(歯垢)を除去できず、放置したことで起きる「細菌による歯ぐきの感染症」です。
医療技術が進歩しても、歯周病治療の基本はあくまで「プラークコントロール(プラークを付着させずに取り除くこと)」です。
プラークコントロールの習慣が身につかなければ、ブルーラジカルを使用しても十分な効果が得られません。
そのため、当院ではブルーラジカルを使用する場合、患者さんが歯周病への関心を持ち、プラークコントロールを継続できるよう、口腔衛生プログラムを併用しています。
治療と同時に正しい歯磨きなどのしっかりとしたセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスは非常に大切です。
治療ご希望の方へご案内
Ⅰ. 当院に通院中の方
歯科医師・歯科衛生士・受付へご希望の旨をお伝えください。 カウンセリングは無料で行っています。口腔内の状況は把握しておりますので治療の流れについて患者さんごとにご案内させていただきます。
Ⅱ. ブルーラジカル治療を目的に当院の通院をお考えの方
Ⅲ. かかりつけ歯科医院がある方
ブルーラジカル歯周治療(保険適用外)は、治療計画を必要とするため、いきなり施術を行うことはできません。
ブルーラジカル歯周病治療をお受けいただく際には、事前のカウンセリングと精密検査が必須です。患者様の口腔内の状態を確認し、治療適応範囲などの診断が必要となります。
なお、遠方で通院が難しい場合や、できるだけ短期に治療を受けたい方には、治療スケジュール等、柔軟に対応させていただきますのでご相談ください。
*かかりつけ歯科医院がある方
かかりつけ歯科医院で継続的な歯周病治療やメンテナンスを受けている方は、事前に先生とご相談の上ご連絡ください。
受診の際には「紹介状」をご持参いただきますようお願いいたします。
*直近の歯周ポケット精密検査表・直近のレントゲン等の資料をご持参いただけると、よりスムーズにカウンセリングを行うことができます。
ブルーラジカル治療後は、かかりつけの歯科医院で治療を継続していただきます。
治療の流れ初めて当医院を受診される方
1. カウンセリング
6,600円
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患者様のお悩みやご希望をお聞かせください。ブルーラジカル治療や口腔内の簡単チェックをもとにお話しをさせていただきます。問診・症状の確認、治療方法・特徴の説明・リスクと注意点、口腔内の視診(歯ぐきの状態、炎症の有無などを確認)、パノラマ写真撮影 |
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2. 精密検査
45,000円
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口腔内の状態を正確に診断するための検査を行います。 |
3. 診断・治療計画の提示
4,400円
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精密検査をもとに現在の口腔内の状況を詳しくご説明します。今後の治療計画と見積りをご提示いたします。 *治療を進めるかどうかの返答は後日でかまいません。 |
4. 口腔衛生指導
1回 7,700円
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ブラッシング指導(60分×3回程度) |
5. ブルーラジカル治療
1歯 15,400円
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1歯約5分程度 麻酔下での施術 |
6. 経過観察
2,200円
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ブルーラジカル治療の効果を確認するため、歯周ポケットの深さや炎症の程度、口腔内の清掃状態等を再度チェックします。 |
7. 最終評価
7,700円
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ブルーラジカル治療が終了した3ヶ月後に、最終評価を行います。この評価では、歯周ポケットの深さや炎症の消失具合、歯ぐき、歯肉や歯槽骨(歯を支えている骨)の健康状態を確認します。 |
よくあるご質問

- ブルーラジカル治療はどんな人に向いていますか?
- 軽度以上の重度の歯周病の方、従来の歯周病治療で効果が実感できなかった方、外科的な治療を避けたい方におすすめです。 ブルーラジカルは、歯周ポケット内を強力に殺菌するため歯周病治療に非常に適しています。
- ブルーラジカルの治療はすぐに受けられますか?
- まずはお電話でご予約をお願いします。「ブルーラジカル希望」とお伝えください。
治療までのステップは、①カウンセリング ②精密検査 ③診断・治療計画提案
そして治療前には「口腔衛生プログラム」を受けていただき、その上で治療スタートとなります。なお、遠方で通院が難しい方や、できるだけ短期に治療を受けたい方には治療スケジュール等柔軟に対応させていただきます。 - 1回で何本まで処置ができますか?
- 麻酔をしながらの治療ですので、5本程度までです。それ以上まとめた本数での治療をご希望の場合はご相談ください。
- 歯周ポケット値が深くてもできますか?
- 基本的には、4mm以上の歯周ポケットを基準としています。また、浅いポケットでも治療が可能です。
詳しくは、精密検査後にご提案させていただきます。 - 当院への受診前にかかりつけの歯科医院への通院・治療は一旦やめた方がいいですか?
- かかりつけの歯科医院への通院をやめる必要はありません。
- 治療の料金は1本あたりいくらかかりますか?
- ブルーラジカル治療は 1歯あたり 税込15,400円です。
その他、精密検査やプラークコントロールに必要な口腔衛生プログラムの関わる料金などが別途かかります。 - お会計(決済方法)はクレジットカードが使用できますか?
- ブルーラジカル治療は自費診療です。お会計には現金もしくはクレジットカードがご利用可能です。
- 治療後もここに通院しないといけないですか?
- かかりつけの歯科医院でのメンテナンスをしていただいても大丈夫ですが、治療後、3ヶ月後の評価までは当院に通院していただきます。
- 1度で治療が終わるのか?一度治療を受けただけで状態はよくなるのか?
- 1度で終わるかどうかは、対象である歯の数により異なります。お口の状態によっては複数回の処置が必要な場合もございます。
- 歯を抜かなくて済むようになりますか?
- 歯を支えている骨がどのような状態になっているかで変わります。
レントゲン検査などの結果により診断させていただきます。 - ブルーラジカル治療は痛いですか?
- 治療時には麻酔をしますので、痛みについてほとんどの方は心配ありません。
治療後の腫れや出血もほとんどないため、すぐに日常生活にもどれます。 - インプラントでもブルーラジカル治療はできますか?
- インプラントの場合にも受けていただくことができます。
国の検査で効果を認められたのは歯周病菌に対する、殺菌効果ですが、インプラント周囲炎にも進行を抑える効果が東北大学の研究では期待できるとされています。 - 歯根破折のため深いポケットがあるのですがブルーラジカルを受けられますか?
- 歯根破折の場合、ブルーラジカル治療は対象外です。